スチールギター奏法

スチールギターの弾き方には、様々な方法があります。
どんな方法で弾いたとしても、良し悪しがあるわけではありません。もちろん聞く人の好みは分かれると思います。プレイヤーが難しい技を使って早いフレーズを弾いたとしても、聞く人が心地よいと受け止めなければそれまでです。
スチールギターには鍵盤のような決まった音階やギターのように決まったフレットがありません。スチールギターから出る音は、弾き手の好みで音に独特の味を出すことができます。

ですから基本的なことだけご紹介します。

 単音奏法 
初心者は、まず単音で弾くことを覚えるのが良いと思います。
和音で弾くには基本的なコードのことを知る必要があるからです。

まずは一曲のメロディをバーを動かすフレットの位置でしっかり丸暗記してしまいましょう。スチールギターは幸いにして真下にフレット面を見ながら弾くことができます。

トーンバーをやや持ち上げて移動させる練習をしなければなりません。まず、7フレット G のキーでスケール練習(ドレミファソラシド)をしてみましょう。

次のスチールギターTAB譜のとおりに弾いてみましょう。
TAB譜には、6本ある弦上にフレット番号が記載されています。1弦の7フレットの交差点からスタートします。
番号のフレット・ラインの真上に、バーの先端を正確にあててピッキングしてください。

 和音奏法 

スチールギターで和音を出すためには、曲のコード進行に合わせて弾くため、コードの知識が必要になります。

 

 開放弦の和音  
このサイトでは、スチールギターのチューニングをC6で解説します。

ゼロフレットの開放弦で弾くと、上の1弦から下に向かい「ECGAEC」というC6の和音になります。

・3弦以外を弾くとメジャー和音
3弦開放音は A ですので Cコードからみて 6th の音です。ですから、3弦以外の弦を弾くとドミソだけになり、Cメジャーの和音です。

トーンバーを2フレットに置けば Dメジャーの和音を出すことができます。トーンバーを7フレットに置くと Gメジャーの和音です。

 


・4弦以外を弾くとマイナー和音
4弦開放音は G で、Amのコードからみると 7th の音になります。ですので、4弦以外の弦を弾くとラドミだけとなり、Aマイナーの和音です。

トーンバーを2フレットに置けば Bマイナーの和音を出すことができます。トーンバーを7フレットに置くと Eマイナーの和音です。

 

理論的には、トーンバーをフレット上を平行移動させることで、メジャーとマイナーのすべてのコードトーンを弾くことができることになります。どの曲にもコード進行がありますので、曲のコードに合わせてトーンバーを移動する練習が必要になります。

さらに、和音応用テクニックですが、バーを弦と直角ではなく斜めに傾けて出したい和音をだす「スラント」というバーテクニックがあります。


 単音奏法と和音奏法の比較 

スチールギターを単音で弾いても、和音で弾いてもよいのですが、聞く人の感じ方は変わります。
プレイヤーは単音のほうが好みのフレーズと、和音で弾きたいフレーズがあるものです。

同じ曲を弾いても聞く人の印象が変わることを体感してみましょう。
単音奏法と和音奏法を比較している、次の動画を御覧下さい。

特殊奏法

スチールギターの特殊奏法として、倍音を出す「ハーモニクス」、弦の振動を止める「ミュート」、ボリューム操作による「バイオリン」、トーン操作による「ワウワウ」などがあります。それはスチールギターがアンプに繋いで音を増幅することを利用する奏法も含まれます。プレイヤーは音の出し方を常に工夫して楽しんでいるのです。

 ハーモニクス 
(Harmonics) ハーモニクスとは、右手を手刀の形にして弦のオクターブの箇所に触れながらサムピッキングをすることで高い倍音を出す演奏テクニックです。
やり方は、トーンバーの位置から右側の弦長の半分の位置に右手刀を瞬時に当てながらサムでピッキングします。

 ミュート 
(Mute) 弦の右端部の上に、右手をピックできる形で軽くのせて弦の振動をミュートします。その状態でバーの動きとともにピッキングします。

 バイオリン 
(Volume Control) ボリュームつまみを左端まで回したとき(音量最低の時)にピッキングをして、右に回して音を出すと、バイオリンのように打音の無い音になります。

 ワウワウ 
(Tone Control) トーンつまみを左端まで回したときにピッキングをして、右に回して音を出すと、ワウワウのような音になります。(滅多に使いませんが)

次の動画で音のイメージを確認しましょう。

シンセサイザー (これは遊びで主流の弾き方ではありません)

私の遊びの範囲でスチールギターで、シンセサイザーの音を出すとどんな演奏ができるのか試すために、スチールギター本体にシンセサイザーのピックアップを取り付けました。

 

 シンセサイザーピックアップ 
シンセサイザー用 ピックアップ部及びコントローラー部 です。

 


ピックアップと弦はできるだけ近づけるように取り付けます。
ギターより弦が高い位置にありますので、ピックアップを底上げできる台などを取り付けます。


スチールギターのノーマルケーブルもコントロール部に接続します。GKコネクター専用ケーブルでGR-33などのシンセサイザーと接続します。スチールギター音とシンセ音のミックスも可能です。

 

 シンセサイザー本体 
Roland GR-33の写真です。トランペットやサックスやピアノなどの様々な音源が入っています。フットペダルで音色を切り替えられますし、弾いているときにコントローラー部のボタンでも音色を切り替えられます。

 

 シンセサイザー演奏例 
トランペットやサックスの音色はスチールギターで弾いたものです。