TAB譜を使ってスチールの練習をしよう !
スチールギターの上達には、歌のようなメロディの繊細なニュアンスを奏でられるようにピッキングの力やタイミングとバーの動かしかたを試行錯誤しながら気に入った弾き方をマスターする自己研鑽が必要です。
一曲をしっかりマスターすることと、複数の違うタイプの曲にチャレンジすることにも挑戦しましょう。
TAB譜を見て、バーの動かし方を覚えたら、伴奏に合わせて弾く練習を何度も繰り返します。繰り返すことでバーの動かし方を忘れてしまうことを防ぎます。
中級者のレベルに達し、さらにスチールギターの音楽理論を身につけることでバッキングやアドリブソロを行うことができるようになります。まずは多くの楽曲に取り組み、スチールギターライフを楽しみましょう。
お好きな「曲名」の右端の「詳細を表示」をクリックすると、TAB譜を見ながらスチールの練習をすることができます。伴奏の再生と一緒に演奏をしてください。成果を確認するため、伴奏とご自分が一緒にしたスチール演奏をスマホに録音して聞き返しましょう。
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TAB譜で練習しよう
| 曲目 | WHEN YOU'RE SMILING |
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| 曲目 | 瀬戸の花嫁 |
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| 曲目 | The Rose |
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| 曲目 | 空に星があるように |
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音楽ミニ知識
バーのスラント
スチールギターの演奏における「バーのスラント」とは、トーンバー(スライドバー)を弦に対して斜めに傾けて使用するテクニックのことです。
通常、スチールギターのバーはフレットラインと平行になるように、弦に対して直角に当てて音を鳴らしますが、このスラント奏法をマスターすることで、通常のポジションでは得られない独特の表現や音程の組み合わせが可能になります。
1. なぜスラントをするのか?
スラント奏法の主な目的は以下の2つです。
和音(コード)の表現の多様化: スチールギターは、ペダルやレバーがない場合、一つのポジション(フレット)で鳴らせる和音(コード)が限定されます。しかし、バーを斜めに傾けることで、弦ごとにフレットの位置をずらすことができ、多様なコードフォームや、通常のポジションでは出せないハーモニーを奏でることができます。特に、複雑なコード進行や、特定のジャンル(カントリー、ハワイアンなど)の楽曲を演奏する際に不可欠なテクニックです。
音の滑らかな接続: フレーズやメロディーを弾く際に、一つのポジションから次のポジションへ、音を途切れさせずに滑らかにつなげるために使われることがあります。バーを移動させながら特定の弦を斜めに押さえることで、複数の音を流れるように繋げ、より表情豊かな演奏が可能になります。
2. スラントの具体的な使い方と練習のポイント
スラントは、主に以下の2つのパターンで用いられます。
a) 前スラント(フォワード・スラント)
使い方: バーの先端(演奏者から見て指板側)が、根本よりもブリッジ側に傾くようにバーを斜めに当てます。
効果: これにより、バーの先端に近い弦(高音弦側)が、根本に近い弦(低音弦側)よりも高いフレットで押さえられ、異なる音程を同時に鳴らすことができます。
b) 後スラント(バック・スラント)
使い方: バーの根本(演奏者から見て根本側)が、先端よりもブリッジ側に傾くようにバーを斜めに当てます。
効果: 前スラントとは逆に、低音弦側が高いフレットになり、特定の和音を形成します。
練習のポイント
耳で音程を確認する: スラントの角度は、フレットラインを見て判断するのではなく、実際に鳴らした音を耳で聴いて、正しい音程になっているかを確認しながら調整します。
バーを正確に止める: 連続したスラントの動きをする際は、バーが流れてしまわないよう、1つ1つのポジションでピタッと止める意識が重要です。曖昧な動きは、音がきれいに鳴らない原因になります。
繊細なコントロール: バーは勢いで動かすのではなく、指先で繊細にコントロールすることが求められます。特に、バーのお尻を持ち上げる際は、最低限の高さにすることで左手への負担を減らし、スムーズな演奏につなげます。
スラント奏法をマスターすることで、スチールギターの表現力は大きく広がり、より複雑で魅力的な演奏が可能になります。はじめは難しいかもしれませんが、特定のコードやフレーズに絞って少しずつ練習を重ねることが上達への近道です。
アドリブのオブリガートの練習方法
スタンダード曲のボーカルに合わせてスチールギターでアドリブのオブリガートをすることは、非常に高度な演奏技術です。しかし、段階的に練習することで、誰でも上達を目指せます。以下に、効果的な練習方法をいくつかご紹介します。
1. 基本的なコード進行とスケールの習得
スタンダード曲のコード進行分析:まずは、練習したいスタンダード曲のコード進行を徹底的に分析しましょう。コード進行を理解することで、どの音を弾けば曲に合うのかが分かります。
コード進行を紙に書き出し、各コードの構成音やテンションノートを把握します。
スケールの習得:スタンダード曲でよく使われるスケール(メジャースケール、マイナースケール、ペンタトニックスケール、ブルーススケールなど)を覚えましょう。
各スケールを様々なキーで練習し、指板上での配置を体に覚え込ませます。
コードとスケールの関係性理解:各コードに対して、どのスケールが合うのかを理解することが重要です。
例えば、メジャーコードにはメジャースケール、マイナーコードにはマイナースケールやペンタトニックスケールが合うことが多いです。
2. オブリガートの基本練習
シンプルなオブリガートのコピー:プロのギタリストが演奏するスタンダード曲のオブリガートをコピーしてみましょう。
最初は簡単なオブリガートから始め、徐々に難易度を上げていきます。
コードトーンを使ったオブリガート:コードの構成音(コードトーン)を使ったオブリガートは、曲に合いやすく、初心者にもおすすめです。
コード進行に合わせて、コードトーンを繋げる練習をしましょう。
スケールを使ったオブリガート:スケール内の音を使ったオブリガートは、より自由な表現が可能です。
コード進行に合わせて、合うスケールを使い、フレーズを作る練習をしましょう。
3. 実践的な練習
カラオケ音源を使った練習:スタンダード曲のカラオケ音源に合わせて、オブリガートを弾く練習をしましょう。
最初はゆっくりとしたテンポから始め、徐々にテンポを上げていきます。
ボーカル音源を使った練習:ボーカル音源に合わせて、オブリガートを弾く練習は、より実践的な練習になります。
ボーカルのメロディーを邪魔せず、かつ曲に合うオブリガートを意識しましょう。
録音と分析:自分の演奏を録音し、客観的に聴き直すことで、改善点が見つかります。
プロの演奏と比較し、どこが違うのかを分析することも効果的です。
セッションへの参加:ジャズセッションなどに参加し、他のミュージシャンと演奏することで、実践的な経験を積むことができます。
4. 練習のポイント
耳コピ:プロの演奏を耳で聴き、コピーする練習は、非常に効果的です。
耳コピをすることで、音感やリズム感が養われます。
リズム感の強化:オブリガートは、リズム感が非常に重要です。
メトロノームに合わせて練習したり、様々なリズムパターンを練習したりすることで、リズム感を強化しましょう。
表現力:オブリガートは、単に音を並べるだけでなく、感情を込めて演奏することが大切です。
音色や強弱などを工夫し、表現力を磨きましょう。
継続:オブリガートの上達には、継続的な練習が不可欠です。
毎日少しずつでも良いので、練習を継続しましょう。
これらの練習方法を参考に、根気強く練習を続けることで、必ず上達できます。
「オブリガート」とは
スチールギターのバッキングの時に弾くべき「オブリガート」とは、音楽用語で、主に以下の2つの意味で使われます。
主旋律を引き立てる助奏:独唱や独奏のメロディーをより豊かにするために、伴奏楽器が演奏する旋律のことです。
主旋律と絡み合うように演奏され、楽曲に彩りや深みを与えます。
スチールギターでボーカルの歌に合わせてアドリブで演奏する場合、この意味合いで使われます。
不可欠な声部:元々は、楽曲の中で省略できない、重要なパートを指す言葉でした。
スチールギターでのアドリブのオブリガートは、ボーカルのメロディーを邪魔せずに、かつ楽曲に合うように演奏する必要があります。高度な演奏技術と音楽的なセンスが求められます。
音楽理論における和音の種類
音楽理論における和音の種類を、音と音の度数の組み合わせで説明します。
1. 三和音(トライアド)
三和音は、根音(ルート)から3度ずつ音を重ねて作られる基本的な和音です。
長三和音(メジャー・トライアド):根音から長3度、完全5度上の音を重ねた和音。
明るく響く和音。
例:C(ド-ミ-ソ)
短三和音(マイナー・トライアド):根音から短3度、完全5度上の音を重ねた和音。
暗く、物悲しく響く和音。
例:Cm(ド-ミ♭-ソ)
増三和音(オーギュメント・トライアド):根音から長3度、増5度上の音を重ねた和音。
不安定で緊張感のある響き。
例:Caug(ド-ミ-ソ♯)
減三和音(ディミニッシュ・トライアド):根音から短3度、減5度上の音を重ねた和音。
不安定で暗く、弱々しい響き。
例:Cdim(ド-ミ♭-ソ♭)
2. 四和音(セブンス・コード)
四和音は、三和音にさらに3度上の音を重ねた和音です。
属七の和音(ドミナント・セブンス・コード):長三和音に短7度上の音を重ねた和音。
属和音(V)上で使われ、主和音(I)への解決を強く求める響き。
例:C7(ド-ミ-ソ-シ♭)
長七の和音(メジャー・セブンス・コード):長三和音に長7度上の音を重ねた和音。
穏やかで洗練された響き。
例:CM7(ド-ミ-ソ-シ)
短七の和音(マイナー・セブンス・コード):短三和音に短7度上の音を重ねた和音。
物悲しく、落ち着いた響き。
例:Cm7(ド-ミ♭-ソ-シ♭)
減七の和音(ディミニッシュ・セブンス・コード):減三和音に減7度上の音を重ねた和音。
非常に不安定で、緊張感のある響き。
例:Cdim7(ド-ミ♭-ソ♭-シ♭♭)
マイナーセブンスフラットファイブ(ハーフディミニッシュトセブンスコード):減三和音に短七度上の音を重ねた和音。
不安定で、緊張感のある響き。
例:Cm7(♭5)(ド-ミ♭-ソ♭-シ♭)
3. その他の和音
上記以外にも、さまざまな種類の和音が存在します。
テンション・コード:七の和音に9度、11度、13度などの音を重ねた和音。
複雑で色彩豊かな響き。
分数コード(オン・コード):ベース音(最低音)が根音以外の音である和音。
独特な響きや進行感を生み出す。
例:C/G(ソ-ド-ミ)
これらの和音は、音楽の表現力を豊かにするために不可欠な要素です。
長三度と短三度の組み合わせによって決まる和音の種類
三和音は、根音(ルート)から3度ずつ音を重ねて作られる和音ですが、この3度の関係が長三度か短三度かによって、和音の種類が決まります。
三和音の種類と三度の関係
長三和音(メジャー・トライアド):根音から長三度、その上から短三度を重ねた和音。
例:C(ド-ミ-ソ)
短三和音(マイナー・トライアド):根音から短三度、その上から長三度を重ねた和音。
例:Cm(ド-ミ♭-ソ)
増三和音(オーギュメント・トライアド):根音から長三度、その上からさらに長三度を重ねた和音。
例:Caug(ド-ミ-ソ♯)
減三和音(ディミニッシュ・トライアド):根音から短三度、その上からさらに短三度を重ねた和音。
例:Cdim(ド-ミ♭-ソ♭)
このように、三和音は二つの三度の組み合わせによって、その性質が決まります。
補足
完全五度:根音と五度の音の間隔は、長三和音、短三和音では完全五度、増三和音では増五度、減三和音では減五度となります。
三度の関係で覚えると、和音の構成音を覚えやすいです。
これらの情報を参考に、三和音の成り立ちを理解してください。